「古代の解釈の問題はけっこう根が深い事に気づいた」
「「嫌・古代」問題だね」
「さて、昔々、まだアニパロという言葉も無く、アニパロ漫画もペイルココーンがあるかないかの時代だ」
「うん」
「アウトに載った1つのヤマト漫画。古代の裁判だ」
「オチが『陪審員がみんな古代ファンで無罪』ってやつだね」
「あらすじをうろ覚えで要約する」
- 古代がいかにおかしいかをみんな力説
- 森雪は弁護するが涙は目薬
- 陪審員は全員古代ファンの女性で無罪
「絶対に有罪と思わせて無罪なんだよね」
「そうだ」
「でもそれにどんな問題があるの?」
「実はこの漫画には2種類の解釈が有り得て、決定的な溝が存在するかも知れない」
「えー」
「嫌・古代」の男の子の読み方 §
- 古代は紛れもなく有罪である
- 古代を無罪にするのはヤマトファンでは無く古代ファンのミーハーだけである。それは本質的にヤマトファンとしては少数派である (古代ファンはヤマトファンとは異なる存在である)
- その少数派が結審するのが予想を裏切るオチである
古代ファンの読み方 §
- 古代の行動は問題が多いかも知れない (それは認める)
- しかし、そこが可愛げである。否定する気はさらさら無い。
- 古代の弁護は、どちらかといえば無理を通す行為であり、目薬を必要とする
- しかし、欠陥はなんら古代を否定する要素たりえない。むしろ、可愛げである
- 従って、古代に決定的な問題は無く、無罪
解説 §
「つまりどういうことなんだ?」
「つまり前者は予想を裏切る結末として読むが、後者は来て欲しいにもかかわらず来ないかも知れない結末が来たと読む」
「まるで違うね」
「そうだ」
「じゃあ、今の君の解釈は?」
「ドジっ娘メイドのドジは『萌え属性』であり、やいとちゃん配下のメイド軍団にすらドジっ娘メイドがいるわけで、ドジは否定要素たりえない。そういう意味で、甘かったり、感情的だったり、ムラがあったりするのは何ら否定的な要素ではないと思う。むしろ、主人公は感情移入するために何らかの欠陥を持つべきなのだ」
「えー」
「テレビで見たばかりだから言うけど、サマーウォーズの主人公はキングカズマじゃないんだぜ。もっとシオシオの青年だ。しかも、キングカズマですら挫折する」
「なるほど」
「顕著なのがゴーバスターズ。主人公全員に明瞭な欠陥が設定されている。たとえば、ブルーは熱暴走するとか」
「それが正しい主人公ってことだね」
「そうだ。だから欠陥がある古代は物語的に間違っていない。それが現在の解釈。だから、復活篇でダメパパと娘に糾弾されて、それでオーケー。感情移入可能なドラマが動き出す」
2199は §
「営巣にぶち込まれたSBヤマトの古代と比較して、2199の古代は欠陥が少ない。まだ今のところ、沖田に怒鳴って詰め寄ったりはしていない」
「そうか」
「ボケの気はあるけどな」
「どこに?」
「森雪には鈍感。しかも、宇宙人の親戚がいるかとか質問して看護士をずっこけさせるし」
「そこが主人公が持つべき欠陥だね」
「でも、昔の古代に比べればはるかに欠陥は軽度だ」
「そこが2199の突出した特徴ってことだね」
「まさにそこが象徴的な特徴だ」